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【最近の解決事例】 懲戒解雇事案で仮処分 第2審で勝訴的和解を獲得

12.07.10

 

弁護士の吉村です。最近の解決事例をご紹介します。

 

 事案 

 依頼者は,地方公共団体の公共料金徴収事務を受託する会社で公共料金徴収業務を担当していました。採用以来6年以上,何ら問題なく勤務を継続していました。

 ただ,業務が多忙な部署に配属され,人一倍の業務を与えられていた依頼者は業務過多の状況に悩むようになりました。また,職場環境の面でも,それまでは関係は良好だったのですが,某営業所に異動後は,上司や同僚と折り合いが悪く,業務過多の状況を相談したりすることはできませんでした。

 そのような状況下で,依頼者は,自分の仕事に一部を怠るようになってしまいました。

 しかし,その職務懈怠は会社に発覚し,懲罰委員会にかけられました。依頼者はほんの短期間職務の一部を怠ったことを素直に認め,反省する旨の始末書を提出しましたが,会社の最終的な判断は懲戒解雇となりました。

 確かに,職務の一部を怠ったことは事実ですが,何らの注意指導もなく,いきなり懲戒解雇されたことに依頼者は非常に戸惑いました。

 ひとたび懲戒解雇を受ければ,その事実は労働者に一生ついてまわり,再就職を事実上困難にするなど,いわば労働者キャリアの死刑判決と言っても過言ではありません。守らなければならない家族もおり,また住宅ローンは果てしなく残っています。ここで懲戒解雇を受け入れれば,人生はあまりにも大きく変わってしまいます。

 

 相談 

❶法テラスへの相談 

 そこで,このような状況を何とかしたいと思い,依頼者は広報を見て法テラスへ相談に行きました。

 しかし,3人と弁護士へ相談しましたが,いずれの弁護士も「仕事を怠ったことが事実ならば勝てない。」「自分が悪くて懲戒解雇されたんでしょ?じゃあ,勝てない。」等と述べ,相談を受けるだけで,一切依頼を受け付けませんでした。途方に暮れた依頼者は,当サイトをご覧になり,藁にもすがる思いで,当事務所へご相談に見えました。

 

❷当事務所への相談・依頼

 弁護士の吉村にて,依頼者の事情を詳細に聴き取った結果,確かに懲戒事由に該当しそうではあるが,いきなり懲戒解雇を行うのは処分としてあまりに重すぎるので,懲戒解雇は無効である可能性が高いとの判断しました。依頼者は他の弁護士にも相談した上で,最も説明が明確で,信頼できそうであるとして,吉村に依頼をくださりました。吉村は,直ちにご依頼を受け,会社と交渉を開始しました。

 

 交渉段階 

 直ちに,弁護士名義で解雇の即時撤回,速やかなる復職,賃金の支払を求める旨を内容証明郵便にて求めました。会社は直ちに弁護士を選任し,対応をしてきました。

 しかし,会社は,依頼者が行った職務懈怠は企業秩序を著しく乱すものであり,懲戒解雇は有効であると主張し,一切交渉に応じようとしませんでした。あまりにもお互いの主張の差が大きすぎるため,法的措置により対応を余儀なくされました。

 地位保全等仮処分(第1審:東京地方裁判所) 

❶ 手続の選択

 法的措置としては,労働審判,訴訟,仮処分がありますが,会社の頑なな姿勢に鑑みると,話し合い(調停)による解決を前提とした制度である労働審判では依頼者の満足がいく結果を得ることは難しいと考えました。

 また,依頼者は解雇され賃金を得られなくなり,生活に困窮している状況でしたので,賃金仮払いの仮処分決定を得て,賃金相当額の支払いを受けながら訴訟を行うことを選択しました。賃金仮払仮処分は,労働審判よりスピーディに解決が得られ,かつ,その決定には強制力がありますので,解決に向けた実効性の高い手続なのです。

❷ 仮処分手続

 直ちに申立書を作成し,東京地方裁判所へ提出しました。

 会社側の抵抗は激しく,職務懈怠を証明するために膨大な証拠書類を提出してきました。また,解雇の際には告げていなかった解雇理由の追加も行いました。

 当方としても,当然膨大な量の証拠を分析し,会社の主張が誤っていることを指摘しました。また,懲戒解雇においては,解雇理由の後出しは許されません。その点も強く反論しました。そして,何よりも,懲戒解雇という処分が重すぎであり,社会的相当性を明らかに欠くという点も当方としては主張しました。

➌ 不当な敗訴決定

 しかし,第1審東京地方裁判所の判断は依頼者敗訴の却下決定でした。

 決定理由としては,解雇理由である職務懈怠の事実関係については,概ね依頼者も認める範囲での認定となったのですが,懲戒解雇は重すぎるという当方の主張を退けて,相当な処分であり解雇は有効であるとのことでした。

 しかし,この判決は明らかに不当判決でした。

 まず,❶前提となる事実関係については,当事者間に争いのない事実関係をあろうことか取り違え,その上,会社が誤りであるので撤回した証拠に基づいて事実認定をしていたのです。通常の裁判官ではありえないミスといえます。

 また,❷わずかな職務懈怠で一発で懲戒解雇をした事案であるにもかかわらず,その懲戒解雇を有効と判断しているのは明らかにおかしい。過去の裁判例でも,このような一発懲戒解雇が有効になるのは,労働者が会社の金を盗んだり着服した事案などに限られます。単なる職務懈怠,しかもわずかな期間のものについて,何らの改善機会を与えずに行った懲戒解雇が有効になるはずがありません。この裁判官は,事実認定の稚拙さはもとより,過去の裁判例のリサーチなどを全く行わず,かつ,懲戒解雇=労働者の死刑判決であるとの認識も欠いていたのでしょう。

 直ちに,東京高等裁判所宛に即時抗告を申し立てました。

 地位保全仮処分抗告審(第2審:東京高等裁判所) 

 弁護士にて,第1審決定の理由の不当さについて,論理的かつ詳細に記載した即時抗告状及び抗告理由書を提出し,第2審である東京高等裁判所の審尋期日に臨みました。

 その結果,東京高等裁判所の裁判官は,依頼者の主張が正当であり,懲戒解雇は相当性を欠き,無効であるとの心証を開示しました。つまり,第1審の不当決定が,第2審で覆ったのです。その後は,依頼者の希望に沿った和解交渉が継続しました。

 この段階で,依頼者は,会社への復職するよりも,懲戒解雇を撤回した上で,別天地で新たにスタートしたいという希望を持つようになっていました。そこで,❶懲戒解雇の撤回,❷退職日までの地位の復帰・継続,➌解決金の支払,➍守秘条項(外部へ本件トラブルを口外しない)といった条件での和解が成立しました。

 解決後 

 依頼者は,自己の望む条件で解決ができたことに満足をされ,直ちに再就職活動を行いました。

 依頼者は年齢も若く,また和解条件で円満に退職したことになっているため,すぐに同様の条件での再就職先が見つかりました。キャリアの断絶もほとんどなく,新たなスタートを歩まれることになりました。

 依頼者より「懲戒解雇され,その後に法テラスの3人の弁護士にも依頼を拒否された時は絶望の淵に追い込まれました。しかし,吉村先生は,第1審で敗訴した後も,最後まで私を信じ,一緒に寄り添って戦い抜いてくれました。その結果,臨む結果を得られ,家族にも良い報告が出来ました。本当にありがとうございました。」とのお言葉を頂きました。こういうお言葉こそが仕事の活力の源になります。

 

 

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